腕、手首、指の動きで様々なデバイスをコントロールできるMyo。本記事ではこのMyoの特徴と、利用シーンを考えたいと思います。
▲[外部] Myo The Lab より抜粋
myoとは
myoは、 Thalmic Labs 社によって開発された、腕、手首、指の動きで様々なデバイスをコントロールできるアームバンドで、 手首や指の動きのトラッキングに筋電センサーが使われてるのが特徴です。
筋電センサーとは、筋肉を動かす時に発生する微小電圧を計測するセンサーのことで、この電圧で手首や指の動きを感知することができます。
またmyoは、加速度センサ、ジャイロスコープ、磁気センサも搭載しており、腕の向きや動きをトラッキングするのに使われます。
アウトプットとしては、充電や接続を知らせるLEDと、ジェスチャーが認識されたことを知らせるバイブレータを搭載。
端末との接続はBLEが使われています。
このmyoをパソコンやスマートフォンに接続しジェスチャーを行うことで、端末自体を動かしたり、さらに端末とつながっているデバイスなどをコントロールすることができるのです。
手のジェスチャーには下図のようなDoubleTap、FingerSpread、WaveOut、WaveIn、Fistといった5つのジェスチャーがプリセットで用意されています。
▲[外部] Myo Supportより抜粋
腕の動き(YAW)と、腕の回転(ROLL)、手首をそらす動き(PITCH)も取得できます。
▲[外部] Myo The Lab より抜粋
また開発者は、myoの生のEMGセンサデータを取得することができ、それを元にカスタムジェスチャーを創りだすこともできます。
myo SDKから取得できる情報
myo SDKが受け取れるイベントや、取れる値は下記の通り。
- Myoが新しく加わった
- Myoが切り離された
- Myoと繋がった
- Myoと切断された
- Myoが腕につけられた
- 使用者と腕の相対x軸
- Myoが腕から外された
- Myoがアンロックになった
- Myoがロックされた
- Myoがポーズを検出した
- 通常のポーズ
- こぶしのポーズ
- 手首を内側に曲げたポーズ
- 手首を外側に曲げたポーズ
- 指を広げたポーズ
- タブルタップ
- 不明なポーズ
- Myoが方向(回転)の変化を得た
- 回転ベクトルのx成分
- 回転ベクトルのy成分
- 回転ベクトルのz成分
- 回転のスカラー成分
- Myoが加速度の変化を得た
- ベクトルのx成分
- ベクトルのy成分
- ベクトルのz成分
- ベクトルの長さ
- Myoがジャイロスコープの変化を得た
- ベクトルのx成分
- ベクトルのy成分
- ベクトルのz成分
- ベクトルの長さ
- MyoのRSSIを取得した
他のジェスチャーデバイスと比較して見えるMyoの特徴
Kinect、Leap Motionとの違い
▲[外部] Leap Motion より抜粋
KinectやLeap Motionといったデプスセンサーは、手の動きなどをセンシングすることができますが、センサーを机などに設置する必要があります。また、太陽の赤外線はセンシングにノイズを生むため、屋外での利用は厳しくなります。
Myoは腕に巻き付けるため、身につけたまま行動することができ、屋外でも利用ができるのが特徴です。
Ringとの違い
▲[外部] Ring ZERO Shiny White より抜粋
Ringは指先の動きを細かくトラッキングすることができますが、Ringをつけている指しかトラッキングできません。
Myoは着けている腕の方の指だけでなく手全体の動きをトラッキングすることができます。
Moffとの違い
▲[外部] Moff(モフ) より抜粋
Moffは腕をどの方向にどれくらいの早さで動かしたかをトラッキングすることができます。
Myoも同じことができますが、さらに手首の動きや、指のタップなどをトラッキングすることができます。
また、Moffは独自のアプリケーションを作ることができませんが、MyoはSDKが提供されており自由にアプリケーションを開発することができます。
Myoにしかできない使い方
他のジェスチャーデバイスと比べた場合、Myoの特徴は、動き回りながら利用できることと、手全体や手首を使ったジェスチャーができるところに長けていると言えます。
例えば野球、バスケットボールなど手首を使うスポーツのゲームコントローラーといった感じです。
投げるときの腕の振り、スナップの大きさ、指の本数、曲げ具合を認識し、本当に野球をするのと同じように変化球を投げることができます。
まとめ
Myoを実際に利用した感じでは、細かいアクションには向いていません。Moffのように元気に動きまわって使うシーンに向いている感じがしました。
Myoはすでに自由にアプリを作成できるSDKや、アプリを公開できるストアも用意されています。
みんながはしゃいで遊べて、新しい体験を与えるようなアプリを作ってみてはどうでしょうか。