本日、ついにAndroid AutoのAPIが公開されました。
Android Autoとは、車のカーナビのような車載デバイスとAndroid端末を連動するシステムです。Android Autoアプリを作るための環境構築方法についてまとめました。
Android Autoに対応したアプリをAndroid端末に入れて、車載デバイスと接続することで、車載デバイス側でアプリの画面を表示したり、操作することができます。
APIは以下の公式サイトで説明されています。
http://developer.android.com/training/auto/start/index.html
現状では、以下の2種類のアプリに対応しています。
オーディオ系アプリ・・・車の中でオーディオコンテンツを再生することができます。
メッセージ系アプリ・・・メールを受信するとメッセージを音声出力し、音声入力から返信メールを送信できます。
今回は、AndroidAuto向けのオーディオ系アプリを作成するまでの環境構築について、以下の流れで紹介します。
・AndroidManifestファイルの記載
・専用リソースファイルの記載
・サービスの実装
・シミュレーションアプリのインストール
・アプリの実行
AndroidManifestファイルの記載
ポイントは3つあります。targetSdkVersion
AndroidAutoに対応するアプリは、targetSdkVersionが21以上でなければいけません。MediaBrowserService継承サービス定義
以下のように定義します。<service android:exported="true" android:name=".AndroidAutoMediaService"> <intent-filter> <action android:name="android.media.browse.MediaBrowserService"> </action> </intent-filter> </service>
専用リソースファイルのメタデータ定義
以下のように定義します。<meta-data android:name="com.google.android.gms.car.application" android:resource="@xml/automotive_app_desc" />
上記のように、『android:resource="@xml/automotive_app_desc"』とした場合は、以下の専用リソースファイルを用意する必要があります。
(プロジェクトフォルダ)\res\xml\automotive_app_desc.xml
専用リソースファイルの定義
AndroidManifestファイルで定義した専用リソースファイルには、以下のように記載します。"uses name="には、オーディオ系アプリの場合は"media"、メッセージ系アプリの場合は"notification"を設定します。今回の場合は前者です。
<automotiveapp> <uses name="media"/> </automotiveapp>
サービスの実装
AndroidManifestファイルで定義したMediaBrowserService継承サービスを実際に実装します。以下の2つのメソッドが実装必須ですが、今回は空のメソッドにしておきます。
public class AndroidAutoMediaService extends MediaBrowserService{ @Override public BrowserRoot onGetRoot(String clientPackageName, int clientUid, Bundle rootHints) { return null; } @Override public void onLoadChildren(String parentId, Result <List<MediaItem>> result) { }
シミュレーションアプリのインストール
AndroidAuto向けアプリの動作をAndroid端末上で確認できる、シミュレーションアプリが提供されています。アプリはSDK Managerの「Android Auto API Simulators」からダウンロードできます。
ダウンロードが完了すると、以下のapkファイル2個が格納されます。
オーディオ系アプリ向けとメッセージ系アプリ向けに、2種類のシミュレーションアプリが用意されています。
(Android SDKフォルダ以下)\extras\google\simulators
media-browser-simulator.apk・・・オーディオ系アプリ
messaging-simulator.apk ・・・メッセージ系アプリ
今回はオーディオ系アプリを取り扱うので、media-browser-simulator.apkの方をインストールします。
それぞれのapkを起動すると、以下の画面が表示されます。
オーディオ系のシミュレーションアプリ
メッセージ系のシミュレーションアプリ
アプリの実行
作成したアプリをあらかじめインストールしておき、シミュレーションアプリの「Media Sim」を起動します。
メニューボタンを押すと、作成したアプリの名前が表示されれば成功です。
今回作成したアプリでは必要最低限の実装しか行っていないため、これ以上は動作できませんが、ちゃんと実装したアプリであれば、ここから動作が確認できるはずです。
次回からは、実際に動作するAndroid Autoアプリの開発方法について、説明していきます。
記載されている会社名、および商品名等は、各社の商標または登録商標です。
0 コメント:
コメントを投稿