はじめに
本記事は、Googleから発表されているAndroid Autoの特徴や機能に関してまとめた記事です。
Android Autoの現在使用可能な機能、将来的に使用出来る機能およびそのアプリケーションの構成に関して、大きく分けて以下のようにまとめています。(2015/03/13時点)
- Android Autoとは
- Android Autoの動作環境
- Android Appについて
- 今後の展望について
※本記事を記載するにあたって、以下のURLを参考にしております。
- Android Auto公式
- Android Auto: The right information for the road ahead
- Android Auto Demo at Google I/O 2014
- Google Developers Building Apps for Auto
- Devbytes Android Auto Audid
◆Android Autoに関してまとめたPDFがこちらからダウンロード出来ます。
http://www.brilliantservice. co.jp/bril-tech-blogspot/ about_android_auto.pdf
http://www.brilliantservice.
Android Autoとは?
1概要
1.1 Android Auto
Android Autoとは、Android端末とカーナビ等の車載器(テレマティクス)と連動するシステムです。
ユーザーは車載機の操作のみでAndroid端末と連携でき、サービス、メールの確認、
音楽の再生、目的地までのナビゲーションなどのサービスを受けることが出来ます。
1.2 特徴
Android Autoに関する公式な発表では、まだ一部しか公開されていませんが、Googleから発表されている動画や実際にハンズオンしている動画を見ると、
以下のような特徴が見て取れます。
- Android端末とAndroid Auto搭載の車載機をUSBケーブルでつなぐことで連携を開始します。
- Android Autoはタッチパネルによる操作のみでなく、音声入力によるハンズフリー操作、そして対話型の操作が可能です。
Android端末との連携では、以下のような機能が想定されています。
※現在開発方法が公開されているのは、音楽再生、通知機能のみです。
※現在開発方法が公開されているのは、音楽再生、通知機能のみです。
- 音声認識
- メールや通知に対する返信の作成
- 別アプリの起動および操作
- 音声再生
- メール・リマインダーやスケジュール通知の読み上げ
- 音楽再生
- スマートフォン内の音楽データの再生
- 電話機能
- スマートフォン内の電話帳から電話
- ダイヤル入力による電話
- 通知機能
- 通知を選択すると、内容の音声読み上げ
- 通知に対しての返信
- Google Mapによるナビゲーション
Android Autoの動作環境
1 Android Auto動作環境の構成
現在公開されているAndroid Autoアプリの開発環境は以下のようになっています。
図 2.1.1
以下の表にAndroid Auto動作環境の構成に関しての用語をまとめておきます。
Android Auto
API Simulators
|
車載機側プラットフォームのシュミレータアプリ。
このアプリ上で、Android Autoアプリの動作が確認できる。
現在はオーディオ系とNotification系の2種類が存在する。
|
Android Auto App
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Android Auto向けに拡張したAndroidアプリ。
|
Android Auto APPについて
1 Android Autoでできること
Android Autoアプリの開発方法については、以下の2機能が公開されています。(2015/03/13時点)
1.1 AndroidAuto音楽再生
- 車載機上からのスマートフォン内の音楽データの再生
シミュレーターアプリと連携する前に聞いていた音楽を、
シミュレーターアプリ上でも再生することが出来ます。
- スマートフォン内の音楽アプリと同等のプレイリストを取得、閲覧
シミュレーターアプリでも再生する音楽リストを閲覧、選択することが出来ます。
1.2 AndroidAutoNotification
- 車載機器へのNotification送信
Notificationを車載機器側(現在はシミュレーターアプリ上)に通知できます。
- 車載機器からの既読通知を受信
既読になったことをIntent通知で受け取ることができます。
- 車載機器からの返信を受信
その内容をIntent通知で受け取ることができます。
※動作確認の方法やシミュレーター、アプリの作成方法に関してはこちらの記事を参考にしてください。
今後の展望について
1アプリケーションについて
1.1 Googleが想定しているアプリケーションの構成
Googleが発表している動画で、音楽再生アプリを例に以下のアプリ構成図にて解説を行なっています。Android Auto アプリケーションの構成に関しての説明をしているもので、2章で記載していたものとは構成が異なります。
このような構成にすることによって、既存のアプリケーションを1から作り直すことなく、Android Autoに対応させることが出来るため、将来的にはほとんどのアプリがこのような構成になるものではないかと予想されます。
図 4.1.1.1
以下の表にAndroid Auto Appを構成に関しての用語をまとめておきます。
My Audio App
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スマートフォン上で動く MusicPlayer アプリケーション
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Android Auto App
|
“Auto enable car”上で車載器用に設計されたUIを表示し、操作を“My Audio App”へ中継するアプリケーション
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Auto enable car
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Android Auto 機能対応車載機。”Android Auto App” を表示する。
|
上記のように、My Android App(既存の一般的なアプリケーション)をAndroid Auto Appという中継アプリとの連携させることで、Auto enabled car(車載機)上からMy Android Appを操作することが可能になるという構成になっています。
つまり、Android Auto App自体はただのコントローラーであり、実際に処理が行われているのはスマートフォン上にあるMy Audio Appであるという仕組みです。
1.2 想定されるアプリケーションの使用例
上記のような構成から将来的には、
以下のような使用方法が出来るのではないかと予想されます。
※例として、既存のアプリケーション(スケジュール管理や音声で別アプリを起動出来る物)がAndroid Auto Appに拡張されたとします。
乗車前:スマートフォン内のアプリにスケジュールなどを登録しておく
車載器とスマートフォンを接続
乗車後 1:車載器から、スケジュールの通知がされる。
乗車後 2:続けて車載マイクからに向けて、入力を行う。
例) メールの作成、別アプリ起動、SNS投稿
図 4.1.2.1
乗車前:スマートフォン内のアプリにスケジュールなどを登録しておく
図 4.1.2.4 乗車後 2:続けて車載マイクから、入力を行う 1
図 4.1.2.5 乗車後 2:続けて車載マイクから、入力を行う 2
2 懸念点
Android Autoに関して、以下のような懸念点があります。(2015/03/13時点)
- Android Auto(車載器側)が非公開であること
Android Auto搭載ナビがまだ発売されておらず(※1)、
APIおよびプラットフォームに関する情報が非公開になっています。
ナビOS上にAndroid AutoのVMまたはアプリケーションが起動されるのか、
どのようにアプリケーションが起動され、制御されるか不明な状態です。
- Android Autoのすべての機能が公開されていないこと
現在、公式PV等などではGoogle Mapや音声認識等がデモで行われていますが、
音楽再生機能とメッセージ通知機能のみが一般的に公開されています。
Googleの狙いとしては、既存のアプリケーションやサービスを多少の変更のみでAndroid Auto Appとして拡張出来ることをコンセプトとしているようですが、その実現方法などは未だに非公開です。
- アプリ審査・公開の問題
UIなどの観点からすべてのアプリが公開されるのは難しいと予想されます。
Android Auto Appは安全審査を行うとありますが、
運転中に使用しても問題ないUIの設計を遵守されているか、
運転を阻害する機能が備わっていないか等の、
アプリケーション機能のすべてを網羅出来るか。
又、Googleの審査を通ったとしても、
日本の基準に公開されたアプリケーションが適しているか等の問題点もあります。(※2)
命に関わる問題なので、とても容易ではない事が予想出来ます。
※1: パイオニア株式会社の連結子会社であるPioneer Electronics (USA) Inc.から3月に北米、西欧で発売予定(日本国内での販売は今のところ無し)
※2:Android Auto公式ページでも、「運転中に便利な機能」には「音楽(日本国内対応未定)」と記載されています。
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