2011年8月29日月曜日



今回は、CTSで覚えておいたら楽、得、自慢(?)できる操作について記載いたします。


技術部 藤井洋祐 (twitterID:@i_m_yosuke)


なお、本内容を実施し、何らかの問題、損害などが発生した場合、当社は一切の責任を負いません。
あくまで自己責任で実施してください。
これらのことを認識頂いた上で、ご利用、参考にしてください。





1. CTSの操作(応用編)


 1.1 テスト中の操作


  1.1.1 中断


   プランCTS実施中に、中断せざるを得ない事態(ターゲットデバイスフリーズ、microSD入れ忘れに気づくなど)が発生することがあります。


   その場合、”Ctrl+C”(下図 青丸部分)で中断が可能です。


f:id:bs-android:20110824184042p:image:w600


  Note.


   CTSは、随時 /android-cts/repository/results/[日付フォルダ]/testResult.xml へ実行結果の書き込みを行ってます。中断のタイミングによっては、testResult.xmlが破損する可能性もあります。


   よって、この方法によっての中断は、リスクがあることを承知した上で、実行してください。


   書き込みを行っていないと思われるタイミング、たとえば、ターゲットデバイスReboot中などが狙い目です。




  1.1.2 再開


   1.1.1で中断させたプランCTSを再開させる場合は、通常のCTS起動と同じです。


f:id:bs-android:20110824184230p:image:w600




  再開させずに新規で開始したい場合:


   ”0” → エンター


  再開させたい場合:


   ”1” → エンター


  選択した内容で、プランCTSが実行されます。


f:id:bs-android:20110824184412p:image:w600




  Note.


   中断しているプランが複数ある場合は、cts_hostプロンプトで、”ls -r”によって、実行プラン一覧が


  表示することが出来ます。


   ここでSession Id毎に表示される情報を確認し、再開させたいプランを確認します。


f:id:bs-android:20110824184611p:image:w640


   Session ID 5(プランCTS)を再開させる場合は、”1” → エンター → ”1” → エンターとなります。


f:id:bs-android:20110824184612p:image:w640




 1.2 プランCTSのピンポイント実施


  1.2.1 クラス単位で実施する


   ときには、パッケージ単位より、細かい単位で実施したい場合もあります。


   例えば、android.textパッケージのEditable_FactoryTestクラスだけを実行したい場合があったとします。


   cts_hostプロンプトで”start --plan CTS -p android.text.cts.Editable_FactoryTest”を入力します。


   書式:start --plan test_plan_name -p java_package_name.class_name


f:id:bs-android:20110824185009p:image:w640


   Note.


    パッケージに含まれるtest suite単位で実施したい場合です。


    図1.2.1の例からいきますと、


    ”start --plan CTS -p android.text.cts”と入力することで、


    ”android.text.cts”Test Suiteが全て実行されます。


    ※但し、Not Executedの項目のみです。




  1.2.2 メソッド単位で実施する


   CTS実施の最小単位です。


   android.textパッケージのStaticLayoutTestクラスのtestGetLineForVerticalメソッドだけを実行したい場合cts_hostプロンプトで


   ”start --plan CTS -p android.text.cts.StaticLayoutTest#testGetLineForVertical”


   と入力します。


   書式:start --plan test_plan_name -p java_package_name.class_name#method_name


f:id:bs-android:20110824185010p:image:w640


   Note.


   メソッド単位実行した場合、対象メソッドが既に実行済み(pass/failのどちらか)であっても、結果(testResult.xml)を上書きします。




以上です。



当記事内容をPDF化してます。


下記LinkからDownloadできます。


BS_CTS_Doc04(応用編).pdf








CTS応用編(覚えておいたら得する操作方法)



今回は、CTSで覚えておいたら楽、得、自慢(?)できる操作について記載いたします。


技術部 藤井洋祐 (twitterID:@i_m_yosuke)


なお、本内容を実施し、何らかの問題、損害などが発生した場合、当社は一切の責任を負いません。
あくまで自己責任で実施してください。
これらのことを認識頂いた上で、ご利用、参考にしてください。





1. CTSの操作(応用編)


 1.1 テスト中の操作


  1.1.1 中断


   プランCTS実施中に、中断せざるを得ない事態(ターゲットデバイスフリーズ、microSD入れ忘れに気づくなど)が発生することがあります。


   その場合、”Ctrl+C”(下図 青丸部分)で中断が可能です。


f:id:bs-android:20110824184042p:image:w600


  Note.


   CTSは、随時 /android-cts/repository/results/[日付フォルダ]/testResult.xml へ実行結果の書き込みを行ってます。中断のタイミングによっては、testResult.xmlが破損する可能性もあります。


   よって、この方法によっての中断は、リスクがあることを承知した上で、実行してください。


   書き込みを行っていないと思われるタイミング、たとえば、ターゲットデバイスReboot中などが狙い目です。




  1.1.2 再開


   1.1.1で中断させたプランCTSを再開させる場合は、通常のCTS起動と同じです。


f:id:bs-android:20110824184230p:image:w600




  再開させずに新規で開始したい場合:


   ”0” → エンター


  再開させたい場合:


   ”1” → エンター


  選択した内容で、プランCTSが実行されます。


f:id:bs-android:20110824184412p:image:w600




  Note.


   中断しているプランが複数ある場合は、cts_hostプロンプトで、”ls -r”によって、実行プラン一覧が


  表示することが出来ます。


   ここでSession Id毎に表示される情報を確認し、再開させたいプランを確認します。


f:id:bs-android:20110824184611p:image:w640


   Session ID 5(プランCTS)を再開させる場合は、”1” → エンター → ”1” → エンターとなります。


f:id:bs-android:20110824184612p:image:w640




 1.2 プランCTSのピンポイント実施


  1.2.1 クラス単位で実施する


   ときには、パッケージ単位より、細かい単位で実施したい場合もあります。


   例えば、android.textパッケージのEditable_FactoryTestクラスだけを実行したい場合があったとします。


   cts_hostプロンプトで”start --plan CTS -p android.text.cts.Editable_FactoryTest”を入力します。


   書式:start --plan test_plan_name -p java_package_name.class_name


f:id:bs-android:20110824185009p:image:w640


   Note.


    パッケージに含まれるtest suite単位で実施したい場合です。


    図1.2.1の例からいきますと、


    ”start --plan CTS -p android.text.cts”と入力することで、


    ”android.text.cts”Test Suiteが全て実行されます。


    ※但し、Not Executedの項目のみです。




  1.2.2 メソッド単位で実施する


   CTS実施の最小単位です。


   android.textパッケージのStaticLayoutTestクラスのtestGetLineForVerticalメソッドだけを実行したい場合cts_hostプロンプトで


   ”start --plan CTS -p android.text.cts.StaticLayoutTest#testGetLineForVertical”


   と入力します。


   書式:start --plan test_plan_name -p java_package_name.class_name#method_name


f:id:bs-android:20110824185010p:image:w640


   Note.


   メソッド単位実行した場合、対象メソッドが既に実行済み(pass/failのどちらか)であっても、結果(testResult.xml)を上書きします。




以上です。



当記事内容をPDF化してます。


下記LinkからDownloadできます。


BS_CTS_Doc04(応用編).pdf








2011年8月26日金曜日



f:id:bs-android:20110825230242j:image




2011/08/22(米国日時)にGoogleからAndroid SDKにGoogle TV add-onのプレビュー版がリリースされました


今回のリリースはプレビュー版なので全ての機能を使うことはできませんが、Google TV向けのアプリケーション開発/テストを


行うことができます。また、Marketへの登録も行うことができます。




まだプレビュー版とのことで、現時点では、実行環境はLinux+KVMしかサポートされていませんが、


他のOS(WindowsやMac OS)のサポートも準備中とのことです。




それではさっそく環境を構築してGoogle TV add-onをダウンロードして動かしてみたいと思います。


※既にAndroidの環境が構築されている前提で進めていきます。




動作確認したPCの環境は、「Ubuntu 11.04」です。






■1. ターミナルまたはEclipseのADTから、「AVD Manager」を起動します。


f:id:bs-android:20110825224812p:image:w500






■2. 左側の「Available packages」を選択し、「Packages available for download」欄の「Third party Add-on」を選択します。


すると、以下画像のように【Google TV by Google Inc., Android API 12, revision1】がリスト表示されます。


チェックボックにチェックし、右下の「Install Selected」ボタンを押します。


f:id:bs-android:20110825224813p:image:w500






■3. 「Choose Packages to Install」画面に遷移しますので、必要なパッケージを全てインストールします。


f:id:bs-android:20110825224814p:image:w500


※Google TV add-onは、Android SDK内に保存されます。 android-sdk-linux_x86/add-ons/addon_google_tv_google_inc_12






■4. インストールが完了したらGoogle TVのAVDを作成します。


「AVD Manager」の「Virtual devices」から「New」のボタンを押して、「Create new Android Virtual Device(AVD)」を表示させます。


Nameには任意の名前を記入し、Targetには「Google TV Addon」を選択します。右下の「Create AVD」ボタンを押してAVDを作成します。


※今回スキンは、720pと1080pが用意されています。


f:id:bs-android:20110825224815p:image:w300






■5. ここでさっそくAVDを起動したいところですが、Google TVのエミュレータは、KVM上で動作させることができます。


KVMなしでも動作しますが、非常に動作が重たいため、KVM上で動作させることをオススメします。 


また、KVMはGoogleが正式にサポートしており、インストールするのみとなっています。




・KVMのインストール



$ sudo apt-get install kvm qemu


※これで、/dev配下に「kvm」が格納されます。




・KVMに実行権限を付ける



$ sudo chmod a+rw /dev/kvm


※KVMのインストール/設定は以上です。






■6. Google TVエミュレータを起動する。


KVMが正常に動作しているかも兼ねて起動してみます。


「AVD Manager」からでも起動できますが、ターミナルから、以下コマンドを実行します。(-verboseフラグを付けます)



$ emulator -avd <AVD Name> -verbose




ターミナル上に、以下の出力がされていればKVMは正常に動作しています。



emulator: KVM mode auto-enabled!




また、KVMを使わないように起動することも可能です。



$ emulator -avd <AVD Name> -qemu -disable-kvm


※一目瞭然でKVM上で動作させたほうがいいことがわかると思います。




通常KVM上で動かす場合は「-verbose」は必要ありません。また「AVD Manager」からの起動もKVM上で動くようになっています。




環境構築は以上です。






次にGoogle TVエミュレータを動かしてみます。




起動は思いのほか早いです。おそらくアプリケーションが少ないからでしょう。


右下にハードキーもついていて、左から「HOME」「MENU」「BACK」「SERCH」となっています。


f:id:bs-android:20110825230722p:image:w500




ランチャー画面です。API demosやLive TVなどが入っています。


f:id:bs-android:20110825230723p:image:w500




SettingsアプリのAbout画面です。Firmwareは3.1となっています。


f:id:bs-android:20110825230721p:image:w500




Live TVアプリの画面です。ロケーションに応じてチャンネル設定ができます。


f:id:bs-android:20110825230725p:image:w500


f:id:bs-android:20110825230726p:image:w500






今回のリリースでUIガイドラインも一緒に公開されています。


UI guidelines


画面が大きい分、それなりのデザインをすることができそうですね。








技術部 藤田竜史










Google TV add-onを試してみた(Preview版)。



f:id:bs-android:20110825230242j:image




2011/08/22(米国日時)にGoogleからAndroid SDKにGoogle TV add-onのプレビュー版がリリースされました


今回のリリースはプレビュー版なので全ての機能を使うことはできませんが、Google TV向けのアプリケーション開発/テストを


行うことができます。また、Marketへの登録も行うことができます。




まだプレビュー版とのことで、現時点では、実行環境はLinux+KVMしかサポートされていませんが、


他のOS(WindowsやMac OS)のサポートも準備中とのことです。




それではさっそく環境を構築してGoogle TV add-onをダウンロードして動かしてみたいと思います。


※既にAndroidの環境が構築されている前提で進めていきます。




動作確認したPCの環境は、「Ubuntu 11.04」です。






■1. ターミナルまたはEclipseのADTから、「AVD Manager」を起動します。


f:id:bs-android:20110825224812p:image:w500






■2. 左側の「Available packages」を選択し、「Packages available for download」欄の「Third party Add-on」を選択します。


すると、以下画像のように【Google TV by Google Inc., Android API 12, revision1】がリスト表示されます。


チェックボックにチェックし、右下の「Install Selected」ボタンを押します。


f:id:bs-android:20110825224813p:image:w500






■3. 「Choose Packages to Install」画面に遷移しますので、必要なパッケージを全てインストールします。


f:id:bs-android:20110825224814p:image:w500


※Google TV add-onは、Android SDK内に保存されます。 android-sdk-linux_x86/add-ons/addon_google_tv_google_inc_12






■4. インストールが完了したらGoogle TVのAVDを作成します。


「AVD Manager」の「Virtual devices」から「New」のボタンを押して、「Create new Android Virtual Device(AVD)」を表示させます。


Nameには任意の名前を記入し、Targetには「Google TV Addon」を選択します。右下の「Create AVD」ボタンを押してAVDを作成します。


※今回スキンは、720pと1080pが用意されています。


f:id:bs-android:20110825224815p:image:w300






■5. ここでさっそくAVDを起動したいところですが、Google TVのエミュレータは、KVM上で動作させることができます。


KVMなしでも動作しますが、非常に動作が重たいため、KVM上で動作させることをオススメします。 


また、KVMはGoogleが正式にサポートしており、インストールするのみとなっています。




・KVMのインストール



$ sudo apt-get install kvm qemu


※これで、/dev配下に「kvm」が格納されます。




・KVMに実行権限を付ける



$ sudo chmod a+rw /dev/kvm


※KVMのインストール/設定は以上です。






■6. Google TVエミュレータを起動する。


KVMが正常に動作しているかも兼ねて起動してみます。


「AVD Manager」からでも起動できますが、ターミナルから、以下コマンドを実行します。(-verboseフラグを付けます)



$ emulator -avd <AVD Name> -verbose




ターミナル上に、以下の出力がされていればKVMは正常に動作しています。



emulator: KVM mode auto-enabled!




また、KVMを使わないように起動することも可能です。



$ emulator -avd <AVD Name> -qemu -disable-kvm


※一目瞭然でKVM上で動作させたほうがいいことがわかると思います。




通常KVM上で動かす場合は「-verbose」は必要ありません。また「AVD Manager」からの起動もKVM上で動くようになっています。




環境構築は以上です。






次にGoogle TVエミュレータを動かしてみます。




起動は思いのほか早いです。おそらくアプリケーションが少ないからでしょう。


右下にハードキーもついていて、左から「HOME」「MENU」「BACK」「SERCH」となっています。


f:id:bs-android:20110825230722p:image:w500




ランチャー画面です。API demosやLive TVなどが入っています。


f:id:bs-android:20110825230723p:image:w500




SettingsアプリのAbout画面です。Firmwareは3.1となっています。


f:id:bs-android:20110825230721p:image:w500




Live TVアプリの画面です。ロケーションに応じてチャンネル設定ができます。


f:id:bs-android:20110825230725p:image:w500


f:id:bs-android:20110825230726p:image:w500






今回のリリースでUIガイドラインも一緒に公開されています。


UI guidelines


画面が大きい分、それなりのデザインをすることができそうですね。








技術部 藤田竜史










2011年8月24日水曜日





今回は、CTS概要、環境、基本操作について記載いたします。


なお、本内容を実施し、何らかの問題、損害などが発生した場合、当社は一切の責任を負いません。
あくまで自己責任で実施してください。
これらのことを認識頂いた上で、ご利用、参考にしてください。



0.はじめに


 昨今、注目を浴びているAndroidですが、CTSというのは、みなさんご存知でしょうか?


 名前は聞いたことあっても、実際、使ったこと無い人がほとんどだと思います。


 なぜなら、アプリベンダーにはあまり関係ないことですから。しかし、Androidを利用して、世に


 何らかのハードを出そうという人たち(メーカ、個人含む)、またはframeworkを改変(Bug対応など)し、


 Android Open Source Projectsにsubmitしようとする人にとっては、実は避けては通れない道です。


 本記事は、そんな人たちのために捧げます。




 株式会社ブリリアントサービス    


 技術部 藤井洋祐(twitterID:@i_m_yosuke) 




 (校正) 


 技術部 藤田竜史(twitterID:@ryuuuji) 


 ※藤田くん、チェックありがとう。


 


1.CTS概要


 1.1 CTSの目的


  CTS(正式にはCompatibility Test Suite。以下、CTS)は、Google社が


  Android Platform採用端末に実施を義務付けているTest群です。Google社は、


  今までOEM、もしくはキャリア依存であったPlatformをAndroidで汎用化しました。


  CTSは、Android Marketで配布されるアプリケーションが、


  どのOEMのAndroid端末でもスムーズに利用可能なよう(OEMによって、特化されすぎないよう)に、


  主要な公開APIを実行し、チェックします。


  世の中にAndroidPlatform採用端末を配布する場合、これらTest群を全てpassすることが


  互換性を保つという証になり、そういうプロセスを経て初めて「Android端末」を


  名乗ることが出来るのではないでしょうか。




  蛇足ですが、Android 2.3 Compatibility Definition Document(CDD)という、


  Android Platform使用するためのRequirementがあります。


  こちらもあわせて、目を通されることをお勧めします。


  参照: http://source.android.com/compatibility/2.3/android-2.3.3-cdd.pdf


  注.本内容は、2011年8月22日現在、Google社が提供する環境を元に作成しております。




 1.2 CTSの動作


  CTSは、自動化されたハーネスです。以下の二つを含みます。


  ・テスト実行の管理


  ・ターゲットデバイス上で実行されるテストケースのAPKファイル


http://d.hatena.ne.jp/bs-android/files/1-2.png?d=.png


  大まかな手順としては、以下のようになります。


  1.CTSをDownload


  2.ターゲットデバイスの接続


  3.アクセスビリティテスト実行準備


   a)android-cts/repository/testcases/CtsDelegatingAccessibilityService.apk をインストール


   b)以下の手順でインストールしたアクセスビリティサービスを有効にします。


     Settings > Accessibility > Accessibility > Delegating Accessibility Service


  4.アドミニストレータテスト実行準備


   a)android-cts/repository/testcases/CtsDeviceAdmin.apk をインストール


   b)Settings > Location & security 以下にあるandroid.deviceadmin.cts .* を全て有効にします。


  5.CTSを起動します。


  6.CTSレポートが作成されます。


  参照: http://source.android.com/compatibility/cts-intro.html




 1.3 CTSのテスト範囲


  テスト範囲は以下の通りです。(現在、大きく分けて7つになります)


f:id:bs-android:20110823201340p:image:w640


  参照:http://source.android.com/compatibility/cts-intro.html 


2. CTSの環境作り


 2.1 必要なもの


  (ハード)


  ・PC - DownloadしたCTSを実施します。


  ・ターゲットデバイス - Android Platformを採用したデバイスです。


  (ソフト)


  PCに必要なもの


  ・Android Developersから、SDKをDownloadしてください。(PC OSに適合したもの)


   ※Build環境が整っているということが前提となります。


   参照: http://developer.android.com/sdk/index.html


f:id:bs-android:20110823201251p:image:w640


  Note.


  CTS実施環境について、PC側のOSは、こちら側で確認取れているのは、Linux(Ubuntu)、MacOSです。


  Windowsに関しましては、CTS側環境がWindowsに適合していない部分があり、実行Errorとなります。


  CTS側環境を改変+Cygwinで、動作は確認しています。機会があれば別途紹介いたします。




  ・Android Open source project から、ターゲットデバイスのFirmware versionにあわせたCTSを


   PCの任意の場所にDownloadしてください。


   参照: http://source.android.com/compatibility/downloads.html


f:id:bs-android:20110823201017p:image:w640


 Note.


  CTSは、ターゲットデバイスで採用されているFirmware versionにあわせて、選択する必要があります。


  Android2.3(Gingerbread)採用の場合、CTS2.3R5が実施すべきCTS versionとなります。(図2.1-2参照)




 2.2 実施準備


  2.1.1  CTS実施フォルダ作成


   2.1章でDownloadしたCTS 2.3R5(android-cts-2.3_r5-x86.zip)を任意の場所で解凍します。


f:id:bs-android:20110823201715p:image:w360


 解凍後、図2.2-2のようなフォルダが作成されます。


f:id:bs-android:20110823201716p:image:w360


  2.2.2 環境変数の設定


   CTSは、/android-cts/tools/startctsを実行することで起動します。startctsは、


   スクリプトで書かれており、CTS2.3R5では、そのスクリプト中で環境変数を


   2つ使用しています。


  環境変数その1 CTS_ROOT



if [ -z "${CTS_ROOT}" ]; then
# CONFIGURATION
# Set this variable to the root of unzipped CTS directory
# This only needs to be changed if this script has been moved
CTS_ROOT="$(dirname $0)/.."
fi;


  通常使用の場合、特に意識、変更、設定する必要は、ありません。




  環境変数その2 SDK_ROOT



# Add SDK_ROOT to the PATH for backwards compatibility with prior startcts
# commands that required SDK_ROOT to find adb.
if [ -n "${SDK_ROOT}" ]; then
PATH=${SDK_ROOT}/platform-tools:${SDK_ROOT}/tools:${PATH}
fi


  ~/.bashrcに、exportを追加します。



export SDK_ROOT=~/android-sdk-linux_x86


Note.


.bashrcを変更せずに、下記のようにSDK_ROOTの初期値を直接与えても構いません。



# Add SDK_ROOT to the PATH for backwards compatibility with prior startcts
# commands that required SDK_ROOT to find adb.
SDK_ROOT=”~/android-sdk-linux_x86”
if [ -n "${SDK_ROOT}" ]; then
PATH=${SDK_ROOT}/platform-tools:${SDK_ROOT}/tools:${PATH}
fi




 2.2.3 CTS実行


   CTS実行するには、前述のようにstartctsを実行します。


f:id:bs-android:20110823204831p:image:w640


上記のようにcts_hostプロンプトが表示されれば正常に起動されています。




3. CTSの操作(基本編)


 3.1 プランCTSの確認


  CTSのプランは、”ls –plan”で確認することが出来ます。


  現在は、計8種類提供されています。プランCTSは、そのうちのひとつです。


f:id:bs-android:20110823205146p:image:w640


  Note.


  Google社へは、プランCTS(図3.1-1の赤丸)実施、作成されたレポートを提出します。


  本記事では、プランCTS以外の説明は割愛いたしますが、プランCTSで実施される各種テストが


  目的別に小分けされたようなものだと考えてください。




 プランCTSが提供する項目を”ls --plan CTS”で確認することが可能です。


 現在は、計42項目のテストパッケージが提供されております。


f:id:bs-android:20110823205450p:image:w640




 3.2 プランCTSの実施


  3.2.1 プランCTS実施方法その1


   プランCTSは、“start –plan CTS”で実行されます。


   書式:start --plan test_plan_name


f:id:bs-android:20110823205451p:image:w640


Note.


  自動で、端末Rebootを繰り返しながら、プランCTSの項目を順に実施していきます。




  3.2.2 プランCTS実施方法その2


   プランCTSを図3.1-2で表示したテストパッケージ単位で実施することが可能です。


   ”-p”オプションにて、テストパッケージ名を指定します。


   書式:start --plan test_plan_name -p java_package_name


   下記の例では、”android.apidemos.cts”を実施させています。


f:id:bs-android:20110823205452p:image:w640


  Note.


  指定されたテストパッケージに含まれるテストシナリオが全部実行された後、


  cts_hostプロンプトが表示されコマンド入力待ちとなります。




  3.2.3 プランCTS結果確認


   CTS実施結果は、android-cts/repository/results 直下に、CTS開始日付フォルダが作成され、そこに格納されます。


f:id:bs-android:20110823210136p:image:w640


  Note.


  resultsフォルダの下に、zipファイルが作成されます。


  これは、前述のCTS実施結果が格納されるCTS開始日付フォルダをcompressしたものです。


  Google社へは、このzipファイルを提出します。




 CTS実施結果フォルダには、図3.2.3-2で示すようなファイル群が存在します。


f:id:bs-android:20110823210348p:image:w640


  testResult.xmlに実行毎に結果が反映されていきます。その結果は、ブラウザで確認可能です。


  testResult.xmlをブラウザでOpenすると下記、図3.2.3-3のように表示されます。


f:id:bs-android:20110823210349p:image:w640




  他の情報もブラウザスクロールによって表示されます。


f:id:bs-android:20110823210350p:image:w640




  CTSがエラーを検知した場合、下記のように、Result列が赤くなり、エラー詳細が表示されます。


f:id:bs-android:20110823210351p:image:w640


  Note.


  Failure Detailsに表示されるエラー内容では、


  どのようなAPIを使用した結果エラーとなったのかが判別しにくい場合があります。


  その場合、CTSソースコード(AOSPから取得可能)を解析し、エラー要因、


  APIを特定する必要があります。




以上です。





当記事内容をPDF化してます。


下記LinkからDownloadできます。


BS_CTS_Doc01(概要).pdf


BS_CTS_Doc02(環境).pdf


BS_CTS_Doc03(基本操作).pdf






CTS概要、環境、基本操作





今回は、CTS概要、環境、基本操作について記載いたします。


なお、本内容を実施し、何らかの問題、損害などが発生した場合、当社は一切の責任を負いません。
あくまで自己責任で実施してください。
これらのことを認識頂いた上で、ご利用、参考にしてください。



0.はじめに


 昨今、注目を浴びているAndroidですが、CTSというのは、みなさんご存知でしょうか?


 名前は聞いたことあっても、実際、使ったこと無い人がほとんどだと思います。


 なぜなら、アプリベンダーにはあまり関係ないことですから。しかし、Androidを利用して、世に


 何らかのハードを出そうという人たち(メーカ、個人含む)、またはframeworkを改変(Bug対応など)し、


 Android Open Source Projectsにsubmitしようとする人にとっては、実は避けては通れない道です。


 本記事は、そんな人たちのために捧げます。




 株式会社ブリリアントサービス    


 技術部 藤井洋祐(twitterID:@i_m_yosuke) 




 (校正) 


 技術部 藤田竜史(twitterID:@ryuuuji) 


 ※藤田くん、チェックありがとう。


 


1.CTS概要


 1.1 CTSの目的


  CTS(正式にはCompatibility Test Suite。以下、CTS)は、Google社が


  Android Platform採用端末に実施を義務付けているTest群です。Google社は、


  今までOEM、もしくはキャリア依存であったPlatformをAndroidで汎用化しました。


  CTSは、Android Marketで配布されるアプリケーションが、


  どのOEMのAndroid端末でもスムーズに利用可能なよう(OEMによって、特化されすぎないよう)に、


  主要な公開APIを実行し、チェックします。


  世の中にAndroidPlatform採用端末を配布する場合、これらTest群を全てpassすることが


  互換性を保つという証になり、そういうプロセスを経て初めて「Android端末」を


  名乗ることが出来るのではないでしょうか。




  蛇足ですが、Android 2.3 Compatibility Definition Document(CDD)という、


  Android Platform使用するためのRequirementがあります。


  こちらもあわせて、目を通されることをお勧めします。


  参照: http://source.android.com/compatibility/2.3/android-2.3.3-cdd.pdf


  注.本内容は、2011年8月22日現在、Google社が提供する環境を元に作成しております。




 1.2 CTSの動作


  CTSは、自動化されたハーネスです。以下の二つを含みます。


  ・テスト実行の管理


  ・ターゲットデバイス上で実行されるテストケースのAPKファイル


http://d.hatena.ne.jp/bs-android/files/1-2.png?d=.png


  大まかな手順としては、以下のようになります。


  1.CTSをDownload


  2.ターゲットデバイスの接続


  3.アクセスビリティテスト実行準備


   a)android-cts/repository/testcases/CtsDelegatingAccessibilityService.apk をインストール


   b)以下の手順でインストールしたアクセスビリティサービスを有効にします。


     Settings > Accessibility > Accessibility > Delegating Accessibility Service


  4.アドミニストレータテスト実行準備


   a)android-cts/repository/testcases/CtsDeviceAdmin.apk をインストール


   b)Settings > Location & security 以下にあるandroid.deviceadmin.cts .* を全て有効にします。


  5.CTSを起動します。


  6.CTSレポートが作成されます。


  参照: http://source.android.com/compatibility/cts-intro.html




 1.3 CTSのテスト範囲


  テスト範囲は以下の通りです。(現在、大きく分けて7つになります)


f:id:bs-android:20110823201340p:image:w640


  参照:http://source.android.com/compatibility/cts-intro.html 


2. CTSの環境作り


 2.1 必要なもの


  (ハード)


  ・PC - DownloadしたCTSを実施します。


  ・ターゲットデバイス - Android Platformを採用したデバイスです。


  (ソフト)


  PCに必要なもの


  ・Android Developersから、SDKをDownloadしてください。(PC OSに適合したもの)


   ※Build環境が整っているということが前提となります。


   参照: http://developer.android.com/sdk/index.html


f:id:bs-android:20110823201251p:image:w640


  Note.


  CTS実施環境について、PC側のOSは、こちら側で確認取れているのは、Linux(Ubuntu)、MacOSです。


  Windowsに関しましては、CTS側環境がWindowsに適合していない部分があり、実行Errorとなります。


  CTS側環境を改変+Cygwinで、動作は確認しています。機会があれば別途紹介いたします。




  ・Android Open source project から、ターゲットデバイスのFirmware versionにあわせたCTSを


   PCの任意の場所にDownloadしてください。


   参照: http://source.android.com/compatibility/downloads.html


f:id:bs-android:20110823201017p:image:w640


 Note.


  CTSは、ターゲットデバイスで採用されているFirmware versionにあわせて、選択する必要があります。


  Android2.3(Gingerbread)採用の場合、CTS2.3R5が実施すべきCTS versionとなります。(図2.1-2参照)




 2.2 実施準備


  2.1.1  CTS実施フォルダ作成


   2.1章でDownloadしたCTS 2.3R5(android-cts-2.3_r5-x86.zip)を任意の場所で解凍します。


f:id:bs-android:20110823201715p:image:w360


 解凍後、図2.2-2のようなフォルダが作成されます。


f:id:bs-android:20110823201716p:image:w360


  2.2.2 環境変数の設定


   CTSは、/android-cts/tools/startctsを実行することで起動します。startctsは、


   スクリプトで書かれており、CTS2.3R5では、そのスクリプト中で環境変数を


   2つ使用しています。


  環境変数その1 CTS_ROOT



if [ -z "${CTS_ROOT}" ]; then
# CONFIGURATION
# Set this variable to the root of unzipped CTS directory
# This only needs to be changed if this script has been moved
CTS_ROOT="$(dirname $0)/.."
fi;


  通常使用の場合、特に意識、変更、設定する必要は、ありません。




  環境変数その2 SDK_ROOT



# Add SDK_ROOT to the PATH for backwards compatibility with prior startcts
# commands that required SDK_ROOT to find adb.
if [ -n "${SDK_ROOT}" ]; then
PATH=${SDK_ROOT}/platform-tools:${SDK_ROOT}/tools:${PATH}
fi


  ~/.bashrcに、exportを追加します。



export SDK_ROOT=~/android-sdk-linux_x86


Note.


.bashrcを変更せずに、下記のようにSDK_ROOTの初期値を直接与えても構いません。



# Add SDK_ROOT to the PATH for backwards compatibility with prior startcts
# commands that required SDK_ROOT to find adb.
SDK_ROOT=”~/android-sdk-linux_x86”
if [ -n "${SDK_ROOT}" ]; then
PATH=${SDK_ROOT}/platform-tools:${SDK_ROOT}/tools:${PATH}
fi




 2.2.3 CTS実行


   CTS実行するには、前述のようにstartctsを実行します。


f:id:bs-android:20110823204831p:image:w640


上記のようにcts_hostプロンプトが表示されれば正常に起動されています。




3. CTSの操作(基本編)


 3.1 プランCTSの確認


  CTSのプランは、”ls –plan”で確認することが出来ます。


  現在は、計8種類提供されています。プランCTSは、そのうちのひとつです。


f:id:bs-android:20110823205146p:image:w640


  Note.


  Google社へは、プランCTS(図3.1-1の赤丸)実施、作成されたレポートを提出します。


  本記事では、プランCTS以外の説明は割愛いたしますが、プランCTSで実施される各種テストが


  目的別に小分けされたようなものだと考えてください。




 プランCTSが提供する項目を”ls --plan CTS”で確認することが可能です。


 現在は、計42項目のテストパッケージが提供されております。


f:id:bs-android:20110823205450p:image:w640




 3.2 プランCTSの実施


  3.2.1 プランCTS実施方法その1


   プランCTSは、“start –plan CTS”で実行されます。


   書式:start --plan test_plan_name


f:id:bs-android:20110823205451p:image:w640


Note.


  自動で、端末Rebootを繰り返しながら、プランCTSの項目を順に実施していきます。




  3.2.2 プランCTS実施方法その2


   プランCTSを図3.1-2で表示したテストパッケージ単位で実施することが可能です。


   ”-p”オプションにて、テストパッケージ名を指定します。


   書式:start --plan test_plan_name -p java_package_name


   下記の例では、”android.apidemos.cts”を実施させています。


f:id:bs-android:20110823205452p:image:w640


  Note.


  指定されたテストパッケージに含まれるテストシナリオが全部実行された後、


  cts_hostプロンプトが表示されコマンド入力待ちとなります。




  3.2.3 プランCTS結果確認


   CTS実施結果は、android-cts/repository/results 直下に、CTS開始日付フォルダが作成され、そこに格納されます。


f:id:bs-android:20110823210136p:image:w640


  Note.


  resultsフォルダの下に、zipファイルが作成されます。


  これは、前述のCTS実施結果が格納されるCTS開始日付フォルダをcompressしたものです。


  Google社へは、このzipファイルを提出します。




 CTS実施結果フォルダには、図3.2.3-2で示すようなファイル群が存在します。


f:id:bs-android:20110823210348p:image:w640


  testResult.xmlに実行毎に結果が反映されていきます。その結果は、ブラウザで確認可能です。


  testResult.xmlをブラウザでOpenすると下記、図3.2.3-3のように表示されます。


f:id:bs-android:20110823210349p:image:w640




  他の情報もブラウザスクロールによって表示されます。


f:id:bs-android:20110823210350p:image:w640




  CTSがエラーを検知した場合、下記のように、Result列が赤くなり、エラー詳細が表示されます。


f:id:bs-android:20110823210351p:image:w640


  Note.


  Failure Detailsに表示されるエラー内容では、


  どのようなAPIを使用した結果エラーとなったのかが判別しにくい場合があります。


  その場合、CTSソースコード(AOSPから取得可能)を解析し、エラー要因、


  APIを特定する必要があります。




以上です。





当記事内容をPDF化してます。


下記LinkからDownloadできます。


BS_CTS_Doc01(概要).pdf


BS_CTS_Doc02(環境).pdf


BS_CTS_Doc03(基本操作).pdf






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