本記事ではCognizant ITSのインストール方法について説明します。
Cognizant ITSはmacOSや、Windows、LinuxなどJavaがサポートされているOSで動作しますが、本シリーズはコードを書かない方を対象としているため、macOSとWindows向けに解説します。
連載目次
- 第1回 Cognizant Intelligent Test Scripterとは
- 第2回 Cognizant ITSのインストール(本記事)
- 第3回 クイックスタート
- 第4回 アクション一覧
- 第5回 テストケース1 反復テスト
- 第6回 テストケース2 ビジュアルリグレッションテスト(7/31公開予定)
免責事項 - 本記の掲載内容について
本記事に掲載されている内容について一部非公式な情報を含んでおります。
そのため弊社側では記事内容を用いたことによる損害や責任等については負いかねますので、あらかじめ了承ください。
© Copyright 2018, Cognizant. All rights reserved. Cognizant、Cognizant のロゴ、Cognizant Intelligent Test Scripterは、米国Cognizant Technology Solutions Corporationの登録商標または商標です。株式会社ブリリアントサービスは、コグニザントジャパン株式会社の子会社です。本文書に記載されている内容は、予告なく変更される場合があります。また、本書に記載されている会社名、製品名、サービス名などは、各社の商標または登録商標です。
それでは実際にCognizant ITSをインストールしていきたいと思います。
冒頭で説明しました通りJavaがサポートされているOSであればCognizant ITSは動作するのですが、macOS以外のOSではiOSアプリをテストすることができません。
このため、出来る限りmacOSをご用意頂くのをお勧めします。
システム要件
まず、お持ちのパソコンでインストールが可能かどうかお確かめ下さい。
ハードウェア要件
- RAM:2GB以上(4GB以上推奨)
- CPU:Pentium 4以上
- OS:macOS、Windows、Linux
- JavaがサポートされているOSであれば動作可能
- iOS端末のテストはmacOSのみ対応
ソフトウェア要件
- Java 1.8以上
※2018年4月時点ではJava 10で動作しません - Android Studio
- Xcode(macOSのみ)
- Appium
対応モバイル端末
- 全てのAndroid端末
- 全てのiOS端末(macOSのみ)
対応ブラウザ
- Seleniumでサポートされているブラウザ
https://docs.seleniumhq.org/about/platforms.jsp#browsers(外部リンク)
以下よりインストール方法となります。
OSにより異なるためmacOSとWindowsで分けて説明しています。
先にmacOSの説明から入りますので、Windowsの方はこちらからスキップして御覧ください。→インストール手順(Windows)
インストール手順(macOS)
JDKの確認
- Launchpadのその他の中にあるターミナルアプリを開きます。
- 下記コマンドを入力してreturnキーを押します。
java -version
もしバージョンが表示されなかったり、バージョンが1.8未満の場合は下記よりインストールが必要です。
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/(外部リンク) - JDKの[DOWNLOAD]をクリックします。
※2018年4月時点でJava SE 10ですとCognizant ITSが動作しません。
Java SE 9.x.xかJava SE 8xxのJDKをダウンロードしてください。 - Accept License Agreementにチェックします。
- macOSのファイルをダウンロードし、インストールします。
Android Studio
もしインストールされていなければ、下記サイトよりダウンロードしてインストールして下さい。
https://developer.android.com/studio/index.html?hl=ja(外部リンク)
Xcode
もしインストールされていなければ、下記サイトのページ右上の[ダウンロード]よりダウンロードしてインストールして下さい。
https://developer.apple.com/jp/xcode/(外部リンク)
Xcodeコマンドライン・デベロッパ・ツール
- ターミナルアプリを開きます。
- 下記コマンドを入力してreturnキーを押します。
xcode-select --install
- まだインストールされていない場合は「インストールしますか?」と聞かれますので、[インストール]をクリックします。
Appium
もしインストールされていなければ、下記よりインストールしてください。
http://appium.io/(外部リンク)
- [Appiumをダウンロード]をクリックします。
- .dmgファイルをダウンロードしインストールします。
環境変数を設定する
- ターミナルアプリを開きます。
- .bash_profileファイルを作成もしくは修正します。
下記コマンドを入力しreturnキーを押して下さい。vi ~/.bash_profile
- iキーを押して入力モードになります。
- 下記のように追記します。
※すでに同じ記述がある場合は追記の必要はありません。 例)#Android Home export ANDROID_HOME='~/Library/Android/sdk' export PATH=$PATH:~/Library/Android/sdk/platform-tools export PATH=$PATH:~/Library/Android/sdk/tools export PATH=$PATH:~/Library/Android/sdk/build-tools #Java Home export JAVA_HOME=$(/usr/libexec/java_home) export PATH=${PATH}$JAVA_HOME/bin
- escキーを押してコマンドモードになります。
- :wqと入力しreturnキーを押すとファイルが保存されます。
- 上記設定を反映させます。下記コマンドを入力しreturnキーを押して下さい。
source .bash_profile
- 下記コマンドを入力してJavaのバージョンを確認します。
java -version
→returnキーを押してjava version “1.8.0”などと表示されればOKです。 - 下記コマンドを入力してadbの動作を確認します。
adb devices
→returnキーを押してList of devices attachedと表示されればOKです。
Appiumが正しく動作するかをチェック
appium-doctorをインストールし、実行することで、Appiumが正しく動作するかをチェックすることができます。
- appium-doctorを動かすためのnode.jsが入っているかを確認します。
ターミナルアプリを開き下記コマンドを入力して下さい。npm --version
returnキーを押してバージョンが表示されなければnode.jsをインストールします。 - 下記サイトよりダウンロードし、インストールします。
https://nodejs.org/en/(外部リンク) - 再度ターミナルアプリで下記を実行し、バージョンが表示されたら成功です。
npm --version
- 下記コマンドを実行してappium-doctorをインストールします。
npm install -g appium-doctor
※npm ERR! Error: EACCES: permission denied, access '/usr/local/lib/node_modules' といったようなエラーが出る場合は、一度 sudo chmod -R a+w /usr/local/lib/node_modules/ を実行してから、再度試してみてください。
ただしこの操作には管理者アカウントでログインしている必要があります。 - 下記コマンドを実行してappium-doctorを起動します。
appium-doctor
- すべての項目が✔となっていればAppiumは正しく動作します。
Cognizant Intelligent Test Scripterのダウンロード
- 下記サイトから、cognizant-intelligent-test-scripter-***-setup.zipをダウンロードします。
https://github.com/CognizantQAHub/Cognizant-Intelligent-Test-Scripter/releases/latest(外部リンク) - ダウンロードしたファイルをデスクトップなど任意の場所に解凍します。
拡張証明書のインストール
- 解凍したフォルダ内にあるExtensionsフォルダの中のExt_Certificate.cerをダブルクリックします。
- 証明書の追加ウィンドウが開くので、キーチェーン:のドロップダウンを[システム]に変更して[追加]をクリックします。
- [システム]を開くと、localhostという項目で追加されているので、ダブルクリックして開きます。
- [信頼]を開いて、[この証明書を使用するとき]を[常に信頼]に変更します。
- 閉じれば証明書のインストールは完了です。
Cognizant ITSを起動する
Run.commandファイルから実行できるように、Run.commandファイルに実行権限を与えます。
- ターミナルで下記コマンドを入力します。
chmod +x
※まだreturnキーは押しません。 ※末尾にスペースが入っています。 - Run.commandファイルをターミナルのウィンドウにドラッグ&ドロップし、returnキーを押します。
- Run.commandファイルをダブルクリックします。
- セキュリティで開けない場合はシステム環境設定のセキュリティとプライバシーの[一般]から「“Run.command”は開発元を確認できないため、開けませんでした。」の右の[このまま開く]ボタンを押します。
Sikuli OCRサポート
- 下記サイトよりデータファイルをダウンロードします。
英語版データファイルv3.02(外部リンク)
他の言語(外部リンク) - フォルダを作成してそこにコピーします。
ターミナルアプリで下記コマンドを入力し、returnキーを押して下さい。mkdir -p ~/Library/Application\ Support/Sikulix/SikulixTesseract/tessdata
- Finderのメニューから[移動]→[フォルダへ移動…]をクリックします。
- フォルダの場所に~/Library/Application Support/Sikulix/SikulixTesseract/tessdataと入力し、[移動]をクリックします。
- ダウンロードしたtesseract-ocr-x.xx.eng.tar.gzを解答して、tessdataの中身を全て先ほど開いた空っぽの方のtessdataへコピーします。
iOSの実機でテストをする場合
下記手順によりAppiumがiOSの実機にアクセスできるように設定する必要があります。
https://github.com/appium/appium-xcuitest-driver/blob/master/README.md
これでmacOSへのインストールは完了です。
インストール手順(Windows)
JDKの確認
- コマンド プロンプトを開きます。
スタートメニューの検索でcmd.exeと入力し、検索結果をクリックします。
- 下記コマンドを入力してEnterキーを押します。
java -version
- もしバージョンが表示されなかったり、1.8未満のバージョンの場合は下記よりインストールが必要です。
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/(外部リンク) - JDKの[DOWNLOAD]をクリックします。
※2018年4月時点でJava SE 10ですとCognizant ITSが動作しません。
Java SE 9.x.xかJava SE 8xxのJDKをダウンロードしてください。 - Accept License Agreementにチェックします。
- 自分のPCに合ったファイルをダウンロードし、インストールします。
Android Studio
もしインストールされていなければ、下記サイトよりダウンロードしてインストールして下さい。
https://developer.android.com/studio/index.html?hl=ja(外部リンク)
Appium
もしインストールされていなければ、下記よりインストールしてください。
http://appium.io/(外部リンク)
- [Appiumをダウンロード]をクリックします。
- .exeファイルをダウンロードし、インストールします。
- インストール後、Appiumが起動したら、タスクバーにピン留めしておきます。
環境変数を設定する
JDKの場所を調べる
Javaの場所はインストールしたバージョンによって異なります。
エクスプローラーでC:¥Program Files¥Javaの中身を確認してください。
例)C:¥Program Files¥Java¥jdk1.8.0_161
Android SDKの場所を調べる
Android SDKの場所はAndroid Studioのバージョンによって異なります。
下記手順で確認することができます。
- Android Studioを起動し、何かプロジェクトを開きます(開くプロジェクトがない場合は、適当に新しいプロジェクトを作成します)。
- メニューで[File]→[Settings…]をクリックしSettingsウィンドウを開きます。
- Android SDKをクリックし、Android SDK Locationの内容を確認します。
例)C:¥Users¥xxxx¥AppData¥Local¥Android¥sdk
パスを設定する(Windows10の場合)
- スタートボタン横の検索でシステムを検索し、システムを開きます。
- [システムの詳細設定]をクリックします。
- 詳細設定タブを開き、[環境変数]ボタンをクリックし環境変数ダイアログを開きます。
- システム環境変数(下側)の[新規]ボタンを押します。
- 下記の通り追記します。
変数名:JAVA_HOME
変数値:C:¥Program Files¥Java¥jdk1.8.0_161
※太字の部分は上記で調べた各々のJavaの場所を入れて下さい。 - 入力が終わったら[OK]をクリックします。
- 再度システム環境変数(下側)の[新規]ボタンをクリックします。
- 下記の通り追記します。
変数名:ANDROID_HOME
変数値:C:¥Users¥xxxx¥AppData¥Local¥Android¥sdk
※太字の部分は上記で調べた各々のAndroid SDKの場所を入れて下さい。 - 入力が終わったら[OK]をクリックします。
- 次に、システム環境変数(下側)で変数がPathとなっている行を選択し、[編集]ボタンをクリックし、下記3項目を最後の行に追記します。
C:¥Users¥xxxx¥AppData¥Local¥Android¥sdk¥tools
C:¥Users¥xxxx¥AppData¥Local¥Android¥sdk¥platform-tools
C:¥Program Files¥Java¥jdk1.8.0_161¥bin
※太字の部分は上記で調べた各々のAndroid SDKとJavaの場所を入れて下さい。
パスを設定する(Windows7の場合)
- [コントロールパネル]→[システム]→[システムの詳細設定]→[システムのプロパティ]を開きます。
- [詳細設定]タブの[環境変数]ボタンをクリックし環境変数ダイアログを開きます。
- システム環境変数(下側)の[新規]ボタンをクリックします。
- 下記の通り追記します。
変数名:JAVA_HOME
変数値:C:¥Program Files¥Java¥jdk1.8.0_161
※太字の部分は上記で調べた各々のJavaの場所を入れて下さい。 - 入力が終わったら[OK]をクリックします。
- 再度システム環境変数(下側)の[新規]ボタンをクリックします。
- 下記の通り追記します。
変数名:ANDROID_HOME
変数値:C:¥Users¥xxxx¥AppData¥Local¥Android¥sdk
※太字の部分は上記で調べた各々のAndroid SDKの場所を入れて下さい。 - 入力が終わったら[OK]をクリックします。
- 次に、システム環境変数(下側)で変数がPathとなっている行を選択し、[編集]ボタンをクリックします。
- 既に入力されている文字列の末尾にセミコロン(;)を加え、下記の1行を最後尾に追記します。
C:¥Users¥xxxx¥AppData¥Local¥Android¥sdk¥tools;C:¥Users¥xxxx¥AppData¥Local¥Android¥sdk¥platform-tools;C:¥Program Files¥Java¥jdk1.8.0_161¥bin;
※太字の部分は上記で調べた各々のAndroid SDKとJavaの場所を入れて下さい。
パスを確認する
- パスの設定を反映させるため、一度Windowsを再起動させて下さい。
- 立ち上がったら、コマンドプロンプトでJavaのバージョンを確認します。
java -version
→Enterキーを押してjava version “1.8.0”などと表示されればOKです。 - さらに下記コマンドでadbの動作を確認します。
adb devices
→Enterキーを押してList of devices attachedと表示されればOKです。
Appiumが正しく動作するかをチェック
appium-doctorをインストールし、実行することで、Appiumが正しく動作するかをチェックすることができます。
- appium-doctorを動かすためのnode.jsが入っているかを確認します。 コマンドプロンプトを開き下記コマンドを入力して下さい。
npm --version
Enterキーを押してバージョンが表示されなければnode.jsをインストールします。 - 下記サイトよりダウンロードし、インストールします。
https://nodejs.org/en/(外部リンク) - 再度コマンドプロンプトで下記を実行し、バージョンが表示されたら成功です。
npm --version
- 下記コマンドを実行してappium-doctorをインストールします。
npm install -g appium-doctor
- 下記コマンドを実行してappium-doctorを起動します。
appium-doctor
すべての項目が✔となっていればAppiumは正しく動作します。
Cognizant Intelligent Test Scripterのダウンロード
- 下記サイトから、cognizant-intelligent-test-scripter-***-setup.zipをダウンロードします。 https://github.com/CognizantQAHub/Cognizant-Intelligent-Test-Scripter/releases/latest(外部リンク)
- ダウンロードしたファイルをデスクトップなど任意の場所に解凍します。
拡張証明書のインストール
- 解凍したフォルダ内にあるExtensionsの中のExt_Certificate.cerをダブルクリックします。
- [証明書のインストール]をクリックし、証明書のインポートウィザードを開きます。
- [次へ]をクリックします。
- 証明書をすべて次のストアに配置するにチェックを入れ、[参照]をクリックします。
- 信頼されたルート証明機関を選択し[OK]をクリックします。
- [次へ]をクリックします。
- [完了]をクリックします。
Cognizant ITSを起動する
解凍したフォルダ内にあるRun.batをダブルクリックすると、Cognizant ITSが起動します。
Sikuli OCRサポート
- 下記サイトよりデータファイルをダウンロードします。
英語版データファイルv3.02(外部リンク)
他の言語(外部リンク) - フォルダを作成してそこにコピーします。
コマンドプロンプトで下記コマンドを入力し、Enterキーを押して下さい。mkdir %APPDATA%\Sikulix\SikulixTesseract\tessdata
- エクスプローラーで%APPDATA%\Sikulix\SikulixTesseract\tessdataへ移動します。
- ダウンロードしたtesseract-ocr-x.xx.eng.tar.gzを解凍して、tessdataの中身を全て先ほど開いた空っぽの方のtessdataへコピーします。
これでWindowsへのインストールは完了です。
インストールまとめ
インストール方法は以上となります。
無事、Cognizant ITSを起動させることは出来ましたでしょうか。
その時その時のバージョンなどによってインストール方法が異なる可能性があるため、 エラーなどが出る場合は、それぞれのサイトの情報などを確認してインストール頂ければと思います。
次回は新規プロジェクト作成から簡単なテスト設計とテスト結果までの操作方法を説明したいと思います。
→第3回 クイックスタート
文責:梶井祐介
記載されている会社名、および商品名等は、各社の商標または登録商標です。
0 コメント:
コメントを投稿